コラム

 公開日: 2012-08-06  最終更新日: 2015-06-05

【3.相続・遺言(書類作成代理、業務執行)】

☆逐次、情報を更新しておりますので、最新の情報は、当事務所のホームページをご覧ください。
http://www.taguchi-shihou.com/gyoumu/index.html


(当事務所の取扱業務)
① 登記申請の代理、登記申請書作成、登記申請手続事務の相談
② 遺言書等文案書類の作成代理、文案書類作成の相談
③ 遺言執行業務
④ 公正証書作成手続の代理、その手続の相談
⑤ 登記に関する審査請求手続(不服申立手続)についての代理


(第1 相続 ・ 第2 遺言 ・ 第3 遺贈 ・ 第4 死因贈与・負担付死因贈与 ・ 第5 生前贈与)
(1) 相続
ア 意義
亡くなった人(被相続人といいます。)の財産(資産・債務とも)を、その人の死後に、「法定相続分の割合」、「遺産分割協議の決定」又は「被相続人の遺言」に基づき、相続人等に承継させることをいいます。
イ 相続が開始された場合に、相続人採り得る方法は次のとおりです。
①相続放棄
被相続人の債務が、資産を上回っていることが明らかな場合、相続人は相続を拒否する必要があります。
そこで、相続人各自が、「相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」に、家庭裁判所に相続放棄の申立てをすることにより、最初から相続人でなかったことにすることができます。
②限定承認
被相続人の債務が、資産を上回っているかどうか判明しない場合、相続人は、相続してもよいものかどうか迷ってしまいます。
そこで、相続人全員から、「相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」に家庭裁判所に限定承認の申立てをすることにより、被相続人の債務や遺贈によって生じた債務を相続財産の範囲内で弁済し、相続人の固有財産では責任を負わないという「留保付き相続の承認」をすることができます。
③単純承認
被相続人の死亡後、3か月以内に、「相続放棄も限定承認もしなかった場合」や、「相続財産の一部を費消するなど、相続の意思が推測される場合」には、相続を承認したことになるので、資産・債務とも相続したことになります。
その結果、もし被相続人の負債が相続財産を上回った場合は、相続人の固有財産で弁済する責任を負うことになりますので、相続が発生した場合は、被相続人の財産の処分につき慎重に対処することが必要です。
ウ 死後の財産の管理
(ア)遺言執行者による財産の管理
①遺言により、遺言執行者が指定されていれば、遺言執行者が相続財産を管理します。
②遺言があっても、遺言執行者が指定されていなければ、利害関係人の申立てにより家庭裁判所が管理人を選任することができます。
(イ)家庭裁判所の選任にかかる管理人による財産の管理等
①推定相続人排除の審判確定前の遺言の管理
推定相続人の廃除又はその取消しの請求があった後、その審判が確定する前に相続が開始したときは、家庭裁判所は、利害関係人らからの請求によって、遺産の管理について必要な処分として、管理人を選任することができます。
*推定相続人の廃除(民法892条)
遺留分(相続人の最低相続分:当ホームページ「10.相続・遺留分、遺産整理手続に記載)を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者)被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除(相続権を喪失させること)を家庭裁判所に請求することができる。
②遺産分割申立事件中の財産の管理
遺産分割の申立があった場合において、財産の管理のため必要があるときは、家庭裁判所は、申立により又は職権で、遺産分割の審判の効力が生ずるまでの間、相続財産の管理人を選任することができます。
③相続の承認又は相続放棄前の相続財産の管理
相続人は、単純承認、限定承認又は相続放棄をする前においては、その固有財産におけると同一の注意をもって相続財産を管理しなければなりません。
*ただし、利害関係人らからの請求によって、家庭裁判所は、いつでも相続財産の保存に必要な処分として、管理人を選任することができます。
④限定承認の場合における相続財産の管理
限定承認者は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理を継続しなければなりません。
*(ⅰ)限定承認者が1人の場合
家庭裁判所は、利害関係人らからの請求によって、いつでも、相続財産の 保存に必要な処分として、管理人を選任することができます。
(ⅱ)限定承認をする相続人が数人ある場合
家庭裁判所は、相続人のなかから、相続財産の管理人を選任しなければなりません。
この管理人は、相続人のために相続人に代わって、相続財産の管理及び債務の弁済に必要な一切の行為をすることができます。
⑤相続放棄の場合の相続財産の管理
相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が、相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければなりません。
⑥財産分離後の相続財産の管理
財産分離の請求があったときは、家庭裁判所は、相続財産の管理について、必要な処分として、管理人を選任することができます。
*財産分離(民法941条,950条)
(ⅰ)相続債権者又は受遺者の請求による財産分離(第1種財産分離制度:民法941条) 相続財産及び相続人の固有財産を合わせれば債務超過状態にあって、かつ、固有財産の方が債務超過の度合いが大きい場合に、相続人が単純承認をすることによって、相続債権者又は受遺者が不利益を受ける事態を防止するため、相続財産を相続人の固有財産から分離することを認める制度です。
(事例)
相続財産で相続債権者へ相続債務を弁済する場合、6割の弁済が可能なときに、固有財産で固有債務を弁済すると4割の弁済にとどまるようなとき、両者を合算して相続債務の弁済率が6割を下回ることを防止するような場合に用いられます。
なお、後者の場合は、相続債権者等による相続財産破産の申し立てによっても同様の効果を達成できます。
(ⅱ)相続人の債権者の請求による財産分離(第2種財産分離制度:民法950条)
相続財産が債務超過であるにもかかわらず、相続人が相続放棄や限定承認をしない場合に、相続人の固有債権者の利益を保護することを目的として、その者による財産分離の申立を認めたものです。
(事例)
固有財産が資産超過で、相続財産が債務超過である場合が典型例です。
固有財産が債務超過であっても、その超過の度合いが相続財産のそれよりも小さい場合は、なお分離の実益があります。
⑦相続人不存在の相続財産の管理(民法951条)
相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人となります。その場合家庭裁判所は、利害関係人らの請求によって、相続財産の管理人を選任しなければなりません。

(2) 遺言
ア 遺言の意義
遺言とは、生存中、一定の方式で示された個人(被相続人)の意思を、その人の死後、それに即した法的効果を与えるという制度です。
個人は、死後の自分の財産の行方についてもその意思で自由に決定することができます。民法は、遺言者の最後の意思を尊重して、一定の事項につき、遺言者の死後の法律関係が、遺言で定められたとおりに実現することを法的に保障しています。
イ 遺言執行者
遺言内容を実現するためには、多くの手続を行わなければなりません。そして、これらの手続には、法的な専門知識が必要とされる場合も多く、なかなか順調には進まないのが現実です。
そこで、遺言内容の実現に必要な手続を、第三者の立場から実行する「遺言執行者」を選任することができます。
遺言の内容を実行する際に起こりうる紛争を防ぎ、かつスムーズに手続を進行させるためにも、司法書士等の法律の専門家を、遺言執行者に選任することをお薦めします。
*なお、当事務所は、遺言執行者の職務を行っています。
ウ 遺言書の主な方式は、次のとおりです。
①自筆証書遺言
遺言者が、「遺言書の全文・日付・氏名」を自書し、これに押印することよって成立します。なお、遺言書を封筒に入れて封印することは自筆証書遺言の法定要件ではありませんが、後日の紛争を防止するため、作成された遺言書を封筒に入れ封印をしておくことをお勧めします。
自筆証書遺言書を使用して、遺言執行するには、家庭裁判所に検認の申立てをし、検認して貰った遺言書を使用することが必要です。
*なお、封筒に入れ封印された自筆証書遺言書については、開封せずに家庭裁判所で開封し、検認して貰う必要があります。
②公正証書遺言
「(ア)公証人と2人以上の証人の立会いを得て、(イ)遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授し、(ウ)公証人がこれを筆記して、遺言者及び証人に読み聞かせ又は閲覧させて、(エ)遺言者及び証人が筆記の正確なことを承認した後、各自がこれに署名・押印し、(オ)公証人が、その証書は、方式に従って作成されたものである旨を付記して署名・押印する」方式の遺言書です。
自筆証書遺言書と相違し、家庭裁判所の検認を要せず、その証書を使用して、直接、遺言の執行をなすことができます。
ただし、公証人の作成手数料が掛かりますので、自筆証書遺言書を作成よりは経費負担が多くなります。
③秘密証書遺言
「(ア)遺言者が筆記し、または第三者に筆記してもらった遺言書に遺言者が署名・ 押印した後、(イ)遺言者がその証書を封じ、証書に使用した印章で封印し、公証人 1人及び証人2人以上の前にその封書を提出し、自己の遺言書であること等を申述 します、(ウ)次に、公証人が証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載し、 (エ)最後に、遺言者・証人・公証人が封紙に署名・押印する」ことによって成立する遺言書です。
家庭裁判所の検認を要せず、その証書を使用して、直接、遺言の執行をなすことができます。
④特別の方式として、下記のような遺言があります。
(ⅰ)死亡危急者の遺言
(ⅱ)伝染病隔離者の遺言
(ⅲ)在船者の遺言
(ⅳ)船舶遭難者の遺言
エ 遺言書作成の注意点
遺言書の作成に当っては、次のことに留意する必要があります。
(ア) 意思能力がなくなった時点での遺言書の作成はできません。
遺言書は、個人が亡くなった場合、自己の財産をどのように相続人に承継させるかの意思表示ですから、判断能力がある間にすることが必要です。したがって、意思能力が無くなった段階では遺言をすることができません。
(イ) 自筆証書遺言書の作成に当っては、方式を順守する必要があります。
具体的事例についての有効・無効の取扱いは、下記のとおりです。
あ 遺言者が遺言の全文を自書すること
①有効な事例
  ・手で書けない場合は「、口、腕、足」で書いてもよい。
  ・カーボン紙を使って複写してもよい。
②無効な事例
  ・機器(タイプライター・ワープロ等)によって作成された遺言書。
  ・遺言者の指示によるが、他人によって作成された遺言書(自筆が要件となる。)
い 遺言書の日付
①有効な事例
  ・作成日付として、遺言者の「還暦の日」、「銀婚式の日」とした記載した遺言書。
②無効な事例
  ・日付のない遺言書。
  ・日付印を押印した遺言書。
  ・年月の記載はあるが、日の記載のない遺言書。
  ・「○年○月吉日」と記載されている遺言書。
う 遺言者の自署する氏名と自署の方法
有効な事例
・日常用いている「ペンネーム、芸名、屋号、通称」でもよい。
(理由)同一性が確認できればよいので。
・遺言書に自署がなくても、封筒に自署があれば、遺言書は有効となる。
え 遺言者による遺言書への押印
有効な事例
・ 実印(市役所等に登録された印鑑)でなくても、「遺言者の認印、拇印」でもよい。
・ 他人の手で支えて貰ってなした遺言者の押印。
・ 遺言者の依頼により、他人が遺言者の面前でなした押印。
・ 遺言書を封入した封筒に、遺言者が自署した氏名の下部への押印。
お 遺言書の封入との関連事項
①有効な事例
  ・遺言書を封入していない遺言書。
  ・遺言書を封入したが、封印していない遺言書。
*ただし、「秘密保持、偽造・変造防止のため」封入し、封印することをお勧めします。
②封入し、封印された自筆証書遺言書は、家庭裁判所に検認申立てをし、家庭裁判所で開封し、検認して貰うことが必要です。
もし、家庭裁判所に遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し又は家庭裁判所外で開封した場合は、金5万円以下の過料に処せられます(民法第1005条)。
か 遺言書の加除・変更
①遺言書の文字の加減、その他の変更は遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を文書の余白に付記して、特に署名し、かつ、その変更の場所に印(氏名の下部に押したと同じ印)を押さなければ、遺言書の効力が生じません(民法968条)。
②遺言書の加除変更の効力(最判昭56・12・18)
明らかな誤記の訂正については、方式違反があっても、遺言者の意思を確認するについて支障がないので、遺言の効力に影響を及ぼしません。
き 共同遺言の禁止
遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることはできません。
*つまり、1人ずつ遺言書を作成することが必要です。

(3) 遺贈
ア 遺贈の意義
遺贈とは、遺言者(遺贈者)のする遺言による財産の無償譲与であり、第三者に対してはもちろんのこと、相続人に対してもなすことができます。
・遺贈と「生前贈与・死因贈与」との相違
① 遺贈と生前贈与との相違
・ 生前贈与は、生前に契約(贈与者と受贈者の意思の合致があること)を締結することが必要です。・遺贈は、単独行為(贈与者の一方的意思表示で効力が発生)です。
② 遺贈と死因贈与との相違
・ 死因贈与は、契約(贈与者と受贈者の意思の合致があること)です。
・ 遺贈は単独行為(贈与者の一方的意思表示で効力が発生)です。
(ア) 遺贈の種類
① 包括遺贈 =遺産の全部又は分数的一部を遺贈することです。
② 特定遺贈 =遺産中の指定された特定の財産を目的とする遺贈です。
③ 負担付遺贈=受遺者に一定の負担を負わせる遺贈のことです。
(イ) 遺贈の効力発生時期
遺贈の効力は、遺言が効力を生じたとき、すなわち遺贈者の死亡の時に生じます。
(ウ) 第三者対抗要件
第三者に対抗するには(第三者からのクレームを回避すること)特定遺贈はもちろんのこと、包括遺贈の場合も登記を必要とします。
(理由)
遺贈は、遺言者の意思による処分であり、包括遺贈においては、相続の場合と相違し、「条件・期限を付し得る等の差異がある」うえ、実質的にも、遺贈の有無等を確認するのは、相続人全員を確認するよりも一層困難だからです。
イ 遺贈における物上代位
遺贈の目的物が滅失若しくは変造又は奪われたために、現に相続財産中にない場合にも、それが第三者に対する償金請求権として存在する限り、その請求権を遺贈の目的としたものと推定されます(民法999条1項)。
ウ 遺贈による登記
(ア) 特定遺贈の登記申請人
受遺者と遺言執行者(遺言執行者が選任されていない場合は、遺言者の相続人全員)の共同申請によりします。
(イ) 包括遺贈の登記申請人
受遺者と遺言執行者(遺言執行者が選任されていない場合は、遺言者の相続人全員)との共同申請によりします。
(ウ) 登記申請書の記載
登記原因は「遺贈」、その日付は、遺贈の効力の生じた日(遺贈者の死亡した日)を記載します。
(エ) 登録免許税
登録免許税は、「①第三者への移転登記の場合は1000分の20」で、「②相続人への移転登記の場合は、1000分の4」です。
エ 税金
相続税法においては、1親等の血族及び配偶者以外の者が遺産を取得することに対して、相続税の20%増の税金が課されます。

(4) 死因贈与・負担付死因贈与
ア 死因贈与の意義
死因贈与契約は、贈与者と受贈者の契約によって成立し、贈与者の死亡によって効力が生じます。
・つまり、死因贈与とは「不確定期限付贈与契約」のことをいいます。
*① 「遺贈」と「死因贈与」は似ていますが、「遺贈」は、遺言者の単独行為(一方的意思表示)であるのに対し、「死因贈与」は契約なので、贈与者と受贈者の意思表示の合致によって成立します。
② 死因贈与には、遺贈に関する規定を準用しています。
イ 負担的死因贈与
(ア) 負担的死因贈与の意義
負担付死因贈与とは、死因贈与契約の中で受贈者に一定の負担を負わせる贈与契約です。
・この負担は、契約当事者において主観的対価関係にたつものではないから、負担付贈与も無償の贈与となります。
・負担付贈与の受益者は、贈与者ではなく、第三者であることも可能です。
・負担とは、例えば「家屋を贈与し、その家屋の賃貸借において、受贈者に家賃の一部を給付させる債務」のことです。
ウ 「死因贈与・負担的死因贈与」と遺増の関係
(ア) 死因贈与に遺贈の規定を準用するとの意味
死因贈与に遺言の規定が準用されるのは、遺言の方式関する規定を除いて、主として効力に関する規定です。
あ 遺贈の効力に関する規定の中で、死因贈与に準用される規定の例
① 遺言の執行に関する規定
い 遺贈の効力に関する規定の中でも、死因贈与に準用されない規定
① 遺贈の承認・放棄に関する規定等
② 遺言の能力に関する規定
③ 遺言緒の検認・開封に関する規定
(イ) 死因贈与に遺言の撤回の規定が準用されるか?
書面による死因贈与の取消し(撤回)を認めています(最判昭47・5・25)。
(理由)
遺贈と同様に、贈与者の最終意思を尊重すべきだからです。
・ただし、遺言の取消し(撤回)に関する方式は準用されません。
(ウ) 負担付死因贈与を撤回することは可能か?
負担付死因贈与も、撤回可能です。
・ただし、負担付贈与契約締結後にその負担の全部又は大半が既に履行されているのであれば、撤回できません。
(撤回可能な理由)
死因贈与は、死者の最終の意思を尊重するとの立場から、贈与者の側から自由に撤回できるとすれば、負担付死因贈与も同様に解することができるので。
(エ) 「遺言」と「負担付死因贈与」について
あ ①負担付死因贈与 ②遺言 の順序でなされた場合
遺言により負担付死因贈与は取消(撤回)されたことになり、負担付死因贈与は効力が生じません(民法1022条、1023条を準用)。ただし、すでに負担を履行した場合は、撤回できません。
い ①遺言 ②負担付死因贈与 の順序でなされた場合
負担付死因贈与と抵触する部分につき、遺言は取り消されたものとみなされ、負担死因贈与が効力を生じます(民法1023条)。ただし、負担の履行がない場合は、負担付死因贈与は効力を生じません。
エ 死因贈与・負担付死因贈与による財産の取得時期遺言者の死亡の時にその効力が生じます。
オ 死因贈与・負担的死因贈与の登記
第三者に対抗するためには、所有権移転登記が必要です。
(ア) 登記申請人
登記権利者は「受贈者」、登記義務者は「贈与者の相続人全員」です。
(イ) 登記申請書の記載
登記原因は、「死因贈与」でも「贈与」でも差支えありません。登記原因の日付は、贈与の効力が生じた日である「贈与者の死亡日」です。
カ 死因贈与・負担付死因贈与の税金
取得した財産(計算は下記のとおり)の価額を課税標準として相続税が課税されます。相続税法上、死因贈与は遺贈と同様に扱われます。

① 土地については、「路線価」又は「固定資産税評価額×国で決めた評価倍率(例えば、宅地の場合:1.1倍)」
② 建物については、「固定資産税の評価額」

(5) 生前贈与(相続時精算課税制度を利用した贈与)
ア 相続時精算課税制度(内容は下記のとおり)を利用した生前贈与
・ 住宅の建物は長男(50歳)が建てたが、底地は父親(80歳)の所有であった場合、その土地を長男が相続するには、相続人全員(母や長男の兄弟など)から遺産分割協議書に署名・押印(実印)と印鑑証明書を添付して貰う必要があります。
・ 昨今、日本人の権利意識が高まり、例え長男だったとしても、他の相続人が、すんなりと「長男が相続すること」を承諾してくれるとは限りません。
・ そんなとき、父親が死亡する前に、住宅の底地を長男名義に所有権移転登記をしておけるなら、こんな安心なことはありません。
・ 現在の税法では、金110万円までは贈与税が掛かりませんが、それを超えるとる課税されます(累進方式の課税です)。
・ もし、贈与される土地の相続税算定価格(路線価)が金1110万円だとすると、その税額は、金275万円(計算方法:「金1110万円-金110万円」×40%-金125万円=金275万円」。平成26年2月7日現在の計算方法です)となってしまいます。
・ ところで、現在(平成26年2月7日現在)、相続時精算課税制度がありますので、65歳以上の親から20歳以上の子供へ贈与する場合、金2500万円までは、贈与税が課されません。
・ そこで、上記事例の場合、資産が金2500万円以内であれば、相続時精算課税制度を利用することにより、贈与税を課されることなく、住宅の底地を親から長男へ所有権移転することができます。
イ 生前贈与による財産の取得時期
親の贈与の意思表示に対し、子供が受贈の意思を表示したときに、所有権移転の効力が生じます。
ウ 生前贈与の登記
第三者に対抗するためには、所有権移転登記が必要です。
(ア) 登記申請人
登記権利者は「受贈者:子供」、登記義務者は「贈与者:親」です。
(イ) 登記申請書の記載
① 登記原因は、「贈与」です。
② 登記原因の日付は、「贈与者(親)の贈与の意思表示に対し、受贈者(子供)が受贈の意思を表示した日」です。
エ 相続時精算課税制度の意義
財産の贈与を受けた人は、「①暦年課税(基本的な贈与税の支払)」をするのが原則ですが、「②相続時精算課税」を選択することができます。
(ア)暦年課税の意義
①基礎控除額
増与税の算定に当り、贈与財産から控除される金額(基礎控除額)は毎年、金110万円です。
②税額
課税価格に応じ、速算表で計算します(累進課税方式です)。
(イ) 相続時精算課税(平成26年2月7日現在)
相続時精算課税を選択した場合、その制度が適用となる要件等は次のとおりです。
あ  年齢要件(贈与した年の1月1日現在)
①贈与者
65歳以上の親
(ただし、住宅取得資金の贈与の場合には、特例があります。)
②受贈者
20歳以上の子である推定相続人(親が死亡した場合相続人となる地位にある子)
(子が親より先に亡くなっときは、20歳以上の孫が、受贈者として、本課税制度を利用できます。)
い  贈与税について
①贈与財産の価額から控除される金額
特別控除額金2,500万円
ただし、前年までに特別控除額を使用した場合は、金2500万円から既に使用した額を控除した額が特別控除額となります。
②税額
特別控除額を超過した部分に対して、一律20%の贈与税が課されます。
う  相続時の精算
①贈与者がなくなったときの相続税の計算
「相続財産の価額+相続時精算課税を適用した贈与財産の価額(贈与時の価額)」を相続財産として、相続税を計算します。
②既に支払った贈与税相当額
既に支払った贈与税相当額は、相続税額から控除されます。
・ただし、控除しきれない金額については還付を受けることができません。
え 贈与税算定の不動産価格の算定
① 土地については、「路線価」又は「固定資産税評価額×国で決めた評価倍率(例えば、宅地の場合:1.1倍)」
② 建物については、「固定資産税の評価額」

(6) 当事務所は、上記「(1)~(5)の相続等の事案」につき、下記の業務を取り扱っています。  
(1)「(1)相続、(2)遺言、(3)遺贈、(4)死因贈与、(5)生前贈与」に関する「遺産分割協議書・贈与契約書等の文案書類の作成」、「公正証書の文案作成・公正証書作成手続」、「農地の許認可手続」、「登記申請業務」
(2)「①自筆証書遺言書の文案作成」、「②公正証書遺言書の文案作成・公正証書作成手続」、「③秘密証書遺言書の文案作成、公証人役場の手続」、「遺言執行者の受任」

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