コラム

 公開日: 2012-08-06  最終更新日: 2015-07-14

【6.借金問題「債務整理・自己破産・個人民事再生」・過払い】

☆逐次、情報を更新しておりますので、最新の情報は、当事務所のホームページをご覧ください。
http://www.taguchi-shihou.com/gyoumu/index.html

(当事務所の取扱業務)
① 簡易裁判所「訴訟・民事調停」の代理、法律相談
② 地方裁判所等へ提出する裁判書類の作成、裁判書類作成事務の相談
③ 和解書等文案書類の作成代理、文案書類作成の相談
④ 登記申請の代理、登記申請書作成、登記申請手続事務の相談
⑤ 登記に関する審査請求手続(不服申立手続)についての代理

(目次)
   第1 借金問題の解決方法
   第2 債務整理
   第3 過払金返還
   第4 破産(法人・個人)
   第5 個人民事再生
   第6 法人の民事再生
   第7 特別清算手続

1  借金問題の解決方法
借金問題で悩んでいる場合、その解決のためには、「①債務整理(個人、法人) ②過払い金返還(個人、法人) ③自己破産(個人、法人) ④個人民事再生 ⑤特別清算手続(法人:会社、会社法510条~574条)」等の方法があります。
以下、詳細を説明します。
*なお、法人とは、会社及び会社以外の法人(一般社団法人、学校法人、医療法人、組合等)のことです。

2 借金問題解決方法の詳細
(1)債務整理(消費者金融からの借金の場合)
ア 任意整理(私的整理):個人、法人
裁判所などの機関を通さずに、弁護士・司法書士が、消費者金融会社などの債権者と直接和解交渉を行うものです。
依頼者の現在の正確な借金額を債権者から開示してもらって、債務の確定を行い、残りの借金を無利息で返済できるよう交渉いたします。
このような交渉の過程で、借金が0になる場合もありますし、過払金の存在が判明する場合もあります。
イ 特定調停 :個人、法人
特定調停とは、借金の返済が滞りつつある借主について、簡易裁判所が、借主と貸主その他の利害関係人(保証人など)との話合いの間に入り、返済条件の軽減等の合意が成立するよう働きかけ、借主が経済的に立ち直れるよう支援する手続をいいます。
特定調停は、借金を0にする手続ではありませんので、「①減額後の借金を3年程度で返済できる見込みがあること、②継続して収入を得ることができること」が、特定調停を利用できる目安となります。
(2)過払い金返還(消費者金融からの借金の場合):個人、法人
消費者金融会社などが、利息制限法で定められた上限利率を超える利率を設定していることにより、利息制限法に基づいた金利であれば、すでに返済が完了しているのにもかかわらず、消費者金融会社の設定した利率に従った返済を続けた為に、過剰に支払ってしまったお金のことを過払い金といいます。
この過払金は、相手方の消費者金融会社などから、支払途中または完済後(完済後10年以内)でも過払い金返還請求ができます。

(参考)(ア)利息制限法 (イ)出資法 (ウ)法定利率
(ア)利息制限法
①利息制限法の利息
借り入れ元本が
(ⅰ)金10万円未満は年20%
(ⅱ)金10万円以上金100万円未満は年18%
(ⅲ)金100万円以上は年15%
②利息制限法の延滞損害金 1.46倍まで
ところで、消費者金融の利率は、上限年29.2%(出資法)となっていましたが、平成22年6月18日、上限が年20%(出資法)に引き下げられました。
(イ)出資法
出資法では、平成22年6月18日までは、年29.2%が利息の上限でしたが、現在は年20%が上限なっています。
消費者金融は、この出資法ギリギリの利息で会社を運営していました。*
*出資法に違反すると5年以下の懲役又は金1000万円以下の罰金となります。つまり利息制限法は民事上の法律であり、出資法は刑事上の法律といえます。
*闇金などの高金利は、完全に出資法違反であり、刑事罰が適用されます。
(ウ)法定利率
民事・商事の法定利率は、下記のとおりです。
①民事法定利率
契約当事者の両者が非商人の場合の契約は、民事法定利率の年5%が適用されます(民法404条)。
② 商事法定利率
契約当事者の一方、又は双方が商人の場合は、商事法定利率の年6%が適用されます(商法514条)。
(3) 破産(個人、法人)
ア  自己破産(個人、法人)の意義
支払不能にある個人、支払不能又は債務超過にある法人(会社及び一般社団・財団法人、組合等)が地方裁判所に破産手続開始申立をなし、全ての財産を換金して、債権者に対し債権額に応じた割合で返済する制度です。
*①個人の破産手続開始原因=支払不能
なお、個人破産の場合は、生活必需品と自由財産(現金99万円)は弁済の対象とならず、弁済後の残債務の支払については、免責申立をして認められれば、弁済責任を免除(免責)してもらうことができます。
②法人の破産手続開始原因=支払不能又は債務超過
* 支払不能とは
現在の収入や財産によっては、将来とも借金を返済することが著しく困難である状況のことです。
イ 「(ア)第三者(債権者)による破産申立て」、「(イ)法人のみ、代表者個人のみの破産申立」、「(ウ)法人が破産した場合、代表者個人の民事再生」は可能か
(ア)第三者による破産申立は可能か?
破産の申立ては、債務者からなされること(自己破産)がほとんどで  すが、第三者(債権者)にも申立権が認められています。
(イ)法人のみ、代表者個人のみの破産申立は可能か?
法人が破産をする場合は、代表者の個人保証が顕在化するので、個人も同時に破産申立をして免責を受けるようにするのが通常ですが、事情がある場合は、何れか一方のみの破産申立も可能です。
(ウ)法人が破産した場合、代表者個人の民事再生申立は可能か?
可能です。
(詳細説明)
法人が自己破産した場合、個人保証している代表者個人も自己破産し、免責許可決定が出されれば、負債はなくなりますが、個人財産も処分されてしまいます。それを回避するには、個人民事再生を活用する方法があります。ところで、個人民事再生は継続的収入があることが要件ですので、個人再生による弁済額を支払っていけるだけの収入があることが必要です(年金収入でもかまいません)。
ウ 個人の自己破産のチェックポイント
(ア)自己破産のメリット
①法的に借金がなくなり、特別な債務(税金や暴行などの不法行為により生じた債務及び賭博でつくった借金など)を除いて、一切返済義務がなくなります。
(免責が認められても、免責されない債務)
・ 税金等の公租公課、・養育費や扶養義務に基づく債務、・故意または重過失に起因する不法行為に基づく損害賠償義務、・罰金
②年金受給権、選挙権、被選挙権、運転免許などが、はく奪されることはありません。
③破産者が自由に処分できる財産(本来的自由財産)
(意義)
破産者の財産の内で、破産財団に属せず破産者が自由に管理処分できる財産のことです。
(自由財産の例)
(ⅰ)現金99万円以下
(ⅱ)金銭以外の差押えが禁止された財産
(a)民事執行法上の差押禁止動産
・生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用品、畳及び建具
・1か月間の生活に必要な食糧・燃料
・農業・漁業従事者の農機具・漁具など
(b)民事執行法上の差押禁止債権
給料・退職手当(原則4分の3相当部分)など
(c)特別法上の差押禁止債権
生活保護受給権者、老齢年金受給権者など
(自由財産拡張制度)
破産者の経済的更生のため、本来的自由財産以外の財産についても、破産者の生活状況、破産者が破産手続開始決定時に有していた自由財産の種類や額、破産者が収入を得る見込みなどの事情を考慮して申立て又は職権により、裁判所が、金99万円の範囲内で自由財産の範囲を拡張(金99万円の現金以外の財産も、金99万円に達するまで対象とすること)できるものとされています。
(金99万円の現金以外に財産がない場合)
金99万円以下の現金については、破産者が自由財産として自由に管理処分できます。この場合、他に拡張を求める財産がないので、自由財産拡張の申立を行う必要がありません。
(金99万円以下の預金以外に財産がない場合)
預金は、本来的自由財産ではありません。そこで、預金については自由財産拡張の対象とされ、一般的に保険の解約返戻金等と共に、自由財産拡張の対象とされています。
(自由財産拡張の一般的な基準と運用状況)
自由財産拡張の可否は、破産管財人の意見を聴いて裁判所が判断しますが、予見可能性の確保と公平かつ安定的な運用のため、多くの裁判所では、「財産の種別」と「金額」による基準を設けています。
(ⅰ)拡張適格対象となる財産―財産の種別による基準(6ジャンル)
下記は、金99万円の範囲内なら、申立をすることにより、現金でなくても自由財産として認められる財産です。
a 預貯金・積立金 b 保険解約返戻金 c 自動車 d 敷金・保証金返還請求権 e 退職金債権 f 電話加入権
(ⅱ)拡張適格対象となる財産―財産の金額による基準
金99万円の基準に加えて、個別の拡張適格財産についても,それぞれ一定の基準額(概ね金20万円)を定めて、運用している裁判所もあります。
(イ)自己破産のデメリット
①高価な財産は、強制的に処分されます。
②破産手続開始決定後、免責決定が確定することにより復権されるまで(3~6か月)の間、資格制限があります(その資格を、制限期間中使用できなくなります)。
(一時的に制限される資格の例)
弁護士・司法書士・弁理士等の士業、株式会社の取締役及び監査役、宅地建物取引主任者、生命保険募集人、旅行業務取扱主任者、警備員等
(制限されない資格の例)
医師、看護師、薬剤師、教員、特別職を除く国家公務員・地方公務員等
エ 法人の自己破産のチェックポイント
(ア)従業員の給料等(定期賃金・退職手当)が未払いの場合の対策
あ  失業保険の手続
従業員が失業保険を受けられるようにするため、従業員に対し「離職証明書、資格喪失証明書等」を作成し交付する。
い  未払賃金立替払(未払給料・退職金)制度の活用
「未払賃金立替払制度」とは、賃金の支払の確保等に関する法律(以下、「賃確法」という。)に基づき、企業が倒産したために賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、その未払金の一定の範囲について、独立行政法人労働者健康福祉機構(以下、「機構」という。)が事業主に代わって支払う制度です。
(あ)未払賃金立替払制度の対象となる倒産とは、次の場合をいいます。
①法律上の倒産
破産法に基づく破産手続の開始、会社法に基づく特別清算の開始、民事再生法に基づく再生手続の開始又は会社更生法に基づく更生手続の開始について裁判所の決定又は命令があった場合
②中小企業における事実上の倒産
事業活動に著しい支障を来したことにより、労働者に賃金を支払えない状態になったことについて、労働基準監督署長の認定があった場合
(認定基準)
(ⅰ)事業活動が停止し (ⅱ)再開する見込みがなく (ⅲ)賃金支払い能力が無い状態になったこと。
(い)立替払いを受けることができる要件
①使用者が
(ⅰ)労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業で、1年以上事業活動を行っていたこと(法人・個人の有無、労災保険の加入手続の有無、保険料納付の有無は問わない。)。
(ⅱ)法律上の倒産又は事実上の倒産に該当すること。
②労働者が
(ⅰ)倒産につき、裁判所への破産申立等(事実上の倒産の場合は、労働基準監督署長への認定申請)が行われた日の6か月前から2年の間に退職していること。
(ⅱ)未払賃金があること(ただし、未払賃金の総額が金2万円未満の場合は除かれます。)。

(う) 立替払の対象となる賃金
立替払の対象となる未払賃金(税金、社会保険料、その他の控除金の控除前の額)は、退職日の6か月前の日から機構に対する立替払請求の日の前日までの間に支払日が到来している「定期賃金」及び「退職手当」で未払いのものに限られます。
(え) 立替払の請求ができる期間
裁判所の破産等の決定又は労働基準監督署長の倒産の認定があった日の翌日から起算して2年以内に限定されています。
(お) 立替払される額
立替払される賃金の額は、未払賃金総額の8割です。
ただし、未払賃金総額には、退職日の年齢に応じて限度額が設けられており、未払賃金総額が限度額を超えるときは、その限度額の8割となります。

退職日における年齢 未払賃金総額の限度額 立替払上限額
45歳以上 370万円 296万円
30歳以上45歳未満 220万円 176万円
30歳未満 110万円 88万円
(か) 立替払を受ける場合の手続
立替払請求の手続は、倒産事由が「法律上の倒産」の場合と「事実上の倒産」の場合とで異なります。
①法律上の倒産の場合の手続
(ⅰ)立替払請求人は、未払賃金総額等の必要事項についての証明を管財人等に申請します。

破産等の区分 証明者
破産・会社更生 管財人
特別清算 清算人
民事再生 再生債務者等
(ⅱ)管財人等から未払賃金等について証明書が交付されたら、立替払請求書及び退職所得の受給に関する申告書に必要事項を記入して機構に送付します。
なお、管財人等から未払賃金総額等の事項の全部又は一 部について証明を受けられなった場合は、その証明を受けられなかった事項について、所轄労働基準監督署長に確認申請をします。
以降の手続については、「②事実上の倒産」の場合の手続と同じです。
(ⅲ)機構は、立替払の決定を行い、立替払請求人に対して立替払決定通知書を送付するとともに、指定された金融機関に振り込みます。
②事実上の倒産の場合の手続
(ⅰ)立替払請求人は、所轄労働基準監督署長に対し、当該事業所が事業活動を停止し、再開の見込みがなく、かつ、賃金支払能力がない状態にあることの認定申請を行います。
認定申請は、当該事業所を退職した立替払請求人が2人以上いる場合は、1人が行えば足り、その効果は全ての退職労働者に及びます。
また、認定申請は、当該事業所を退職した日の翌日から起算して6か月以内に行わなければなりません。
(ⅱ)所轄労働基準監督署長から認定通知書が交付されたら、立替払請求人は、未払賃金総額等の必要事項について、所轄労働基準監督署長に確認申請を行います。
(ⅲ)所轄労働基準監督署長から確認通知書が交付された  ら、「立替払請求書及び退職所得の受給に関する申告書」に必要事項を記入して機構に送付します。
(ⅳ)機構は、立替払の決定を行い、立替払請求人に対して立替払決定通知書を送付するとともに、指定された金融機関に振り込みます。
③立替払金に対する課税
立替払により弁済された賃金(退職金を含む)については、租税特別措置法により、原則として、退職所得として課税されます。
なお、退職所得については、下記のとおり、退職所得控除が認められます。

勤続年数 退職所得控除
20年以下の場合 40万円×勤続年数
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年を超える場合 800万円+70万円×(勤続年数-20年)
④立替払後の求償
立替払をしたときは、機構は立替払金に相当する金額について立替払を受けた労働者の賃金債権を代位取得します。
代位取得した賃金債権については、国は債権管理等に関する法律に準じて管理し、必要に応じて差押、仮差押、抵当権の設定又は民事訴訟の提起等を行い、回収を図ります。
「破産等の場合」は、裁判所に対して債権者名義変更届出等を行うとともに、管財人に対して弁済請求をし、「事実上の倒産の場合」は事業主に対して弁済請求を行います。
* 機構から立替払があったからといって、事業主は賃金 支払義務を免れるものではありません。
* 機構が代位取得した賃金請求権と労働者の賃金請求 権は、その性質において同一ですので、弁済の際、弁済額が債権額に満たない場合は、それぞれの債権額に応じ按分による弁済となります。
(イ)自己破産申立前に、資産を知り合いに無償譲渡することの可否
支払停止の6か月前以降にした場合は、破産管財人により否認されますので、そのような行為は慎むべきです。
(ウ)自己破産申立前に、会社の資産(不動産・動産等)を時価で売却することの可否
相当な価格で売却し、現金に換えることは問題ありません。ただし、隠匿した場合は否認されます。
(エ)自己破産申立前に、事業の一部譲渡をする場合
譲渡対価が相当であれば、問題ありません。
ただし、相当でない場合は、破産管財人によって否認され、譲受会社は相当な対価との差額を返還しなければなりません。
(オ)リース物件の処置方法
リース会社に返却すべきです。
ただし、返却する前に自己破産した場合は、破産管財人が返却の手続をとることになります。
(カ)法人名義の電話の処置方法
原則としては、解約することになりますが、破産申立後も破産処理のため使用を継続したい場合は、電話会社との交渉により使用を継続する方法があります。
(キ)自己破産した場合、不動産賃貸借の処置
あ  借主が破産した場合
破産管財人が、「賃貸借契約を解除」するか、「賃貸借契約を継続」するかの選択をする権利を有している。
い 賃貸人が破産した場合
a 賃借人に対抗要件ある場合の破産管財人の解除権
賃借人が賃借権の対抗要件(賃借設定登記あるいは建物については入居)を備えている場合は、管財人は、賃貸借契約の解除を選択することができません。
b 賃料債権の処分等(賃貸人が破産宣告前に「賃料の前払いを受けること」や「賃料債権を譲渡すること」)
賃料の処分等は、無制限に管財人(破産財団)に対抗できます。つまり、処分が可能です(ただし、賃料債権の譲渡については、第三者対抗要件が必要です)。
c 賃料相殺・敷金の取扱い
・債権者に対して、賃料を受働債権として相殺することはできません。
・賃借人が管財人に対して賃料を弁済する際に、後に相殺をするため、敷金の債権額を限度として、賃料弁済額の寄託を請求することができます。
オ  個人の自己破産手続のフローチャート
自己破産申立後、「同時破産廃止の場合」と「異時破産廃止の場合(管財人が選任されて、処理に当る場合)」では、手続の流れに下記のような相違があります。
(ア)同時破産廃止の場合
①裁判所に、自己破産申立・免責申立をする。
(申立人) 債務者個人
(申立書及び添付書類)申立書・破産報告書・債権者一覧表等
(管轄裁判所) 現住所地の地方裁判所
(免責申立)免責とは、個人破産の場合において、破産者の資産を換価して弁済した後、残債務を免除して貰うことで
        す。
        免責の申立は、自己破産申立時になすのが原則です。
②裁判所による破産手続開始決定
申立人(債務者)が、支払不能の状態にあると裁判所が判断した場合は、破産手続開始決定をします。
③同時破産廃止
申立人(債務者)にめぼしい資産がない場合は、債権者への弁済は不可能なので、裁判所は、破産手続開始決定と同時に破産廃止の決定を行います。これによって、破産手続自体が終了します。
*めぼしい資産の有無は、申立書面や裁判所での審問の結果で判断します。
④裁判所による免責審尋期日の指定
同時破産廃止の場合は、破産手続は終了するので、免責許可決定の問題だけが残ります。免責審尋とは、裁判所が免責を許可するかの判断のため、破産者本人を呼んで、事情を訊くことです。その期日は、破産開始決定から2~3か月先に指定されるのが一般的 です。
⑤裁判所による免責審尋
パチンコ・競馬・博打などの浪費によって、破産状態に陥った場合は免責不許可となります。そこで、裁判所は、免責してもよいかどうかの判断をなすため申立人を審尋するのです。
⑥免責許可決定
免責審尋の結果により、裁判所が免責許可決定をします。
⑦官報公告をして、2週間以内に不服申立がない場合は免責許可決定が確定します。
(イ)異時破産廃止の場合(管財人が選任されて処理に当る場合)
①裁判所に、自己破産申立(個人破産の場合は免責申立)をする。
(申立書及び添付書類)申立書・破産報告書・債権者一覧表等
(管轄裁判所)個人の現住所地を管轄する地方裁判所
(免責申立)免責とは、個人破産の場合において、破産者の資産を換価して弁済した後、残債務を免除して貰うことで
        す。
        その申立は、自己破産申立時になすのが原則です。
②裁判所による破産手続開始決定
申立人(債務者)が、支払不能の状態にあると裁判所が判断した場合は、破産手続開始決定をします。
③破産管財人を選任し、破産手続のスケジュールを決定
裁判所が、債務者の資産を調査し、債権者へ配当することが可能と判断した場合は、破産管財人を選任します。
破産管財人には、弁護士が選任されるのが通常です。破産管財人は申し立てられた破産関連書類をチェックし、債権者集会期日を決定し、手続を進めていきます。
④破産管財人による財産調査と処分
⑤破産管財人による債権の有無の調査
債権者から裁判所に債権届出をしてもらい、破産管財人が債権の有無・内容を調査します。
⑥債権者集会の開催
第1回目の債権者集会は、破産申立後3~4か月の間に開催され、その後数回行われます。債権者集会では、破産管財人は債務者の財産調査、処分の結果及び債権調査の結果を報告します。
また、免責許可についての意見も述べます。債権者に配当すべき原資が得られなかった場合は、破産手続は終結します。配当原資があった場合は、簡易配当という簡便な手続きで配当するのが通常です。
⑦裁判所による免責許可決定
⑧官報公告を経て、免責許可決定が確定
カ 法人の自己破産手続のフローチャート
(ア)同時破産廃止の場合
①裁判所に、自己破産申立をする。
(申立人)・一般社団法人又は一般財団法人  理事(解散後は清算人)
       ・株式会社                  取締役(解散後は清算人)
       ・合名会社、合資会社、合同会社   業務を執行する社員(解散後は清算人)
*・これらの法人について、破産手続の申立をする場合には、「理事、取締役、業務を執行する社員、又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするとき」を除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。
 ・解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立をなし得る。
(申立書及び添付書類)・申立書・破産報告書・債権者一覧表・取締役会議事録(取締役会非設置会社は取締役の決定書又は株主総会議事録)・会社登記簿謄本・確定申告書(直近3期分)・財産目録等
(管轄裁判所) 法人の本店(又は主たる事務所地)の地方裁判所
②裁判所による破産手続開始決定
債務者が、支払不能の状態にあると裁判所が判断した場合は、破産手続開始決定をします。
③同時破産手続廃止決定
申立人(債務者)にめぼしい資産がない場合は、債権者への弁済は不可能なので、裁判所は同時破産廃止の決定を行います。その結果破産手続自体が終了します。
*めぼしい資産の有無は、申立書面や裁判所での審問の結果で判断します。
④会社・法人登記簿閉鎖
裁判所は、法務局へ法人の閉鎖登記を嘱託し、これにより登記簿が閉鎖されます。
(イ)異時破産廃止の場合(管財人が選任されて処理に当る場合)
①裁判所に、自己破産申立をする。
(申立人)・一般社団法人又は一般財団法人  理事(解散後は清算人)
       ・株式会社                  取締役(解散後は清算人)
       ・合名会社、合資会社、合同会社   業務を執行する社員(解散後は清算人)
*・これらの法人について、破産手続の申立をする場合には、「理事、取締役、業務を執行する社員、又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするとき」を除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。
 ・解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立をなし得る。
(申立書及び添付書類)・申立書・破産報告書・債権者一覧表・取締役会議事録(取締役会非設置会社は取締役の決定書又は株主総会議事録)・会社登記簿謄本・確定申告書(直近3期分)・財産目録等
(管轄裁判所) 法人の本店(又は主たる事務所地)の地方裁判所
②裁判所による破産手続開始決定
債務者が、支払不能の状態にあると裁判所が判断した場合は、破産手続開始決定をします。
③裁判所が破産管財人を選任し、破産手続のスケジュールを決定
裁判所が、債務者の資産を調査し、債権者へ配当することが可能と判断した場合は、破産管財人を選任します。
破産管財人には、弁護士が選任されるのが通常です。破産管財人は申し立てられた破産関連書類をチェックし、債権者集会期日を決定し、手続を進めていきます。
④破産管財人による財産調査と処分
⑤破産管財人による債権の有無の調査
債権者から裁判所に債権届出をしてもらい、破産管財人が債権の有無・内容を調査します。
⑥債権者集会の開催
第1回目の債権者集会は、破産申立後3~4か月の間に開催され、その後数回行われます。債権者集会では、破産管財人は債務者の財産調査、処分の結果及び債権調査の結果を報告します。
⑦破産手続廃止決定
破産手続が終了した場合は、裁判所は破産手続廃止決定をします。
⑧会社・法人登記簿閉鎖
裁判所は、法務局へ会社・法人の閉鎖登記を嘱託し、これにより登記簿が閉鎖されます。
キ 自己破産申立に要する費用(個人、法人)
自己破産申立をするには、申立人が依頼した弁護士・司法書士に支払う手数料の他に、破産手続を遂行するための費用を裁判所へ予納する必要があります。以下は、予納金の基準です(管財人費用は、負債総額により決定されますので、負債総額が増えると管財人費用も増えます。)
(ア)同時破産廃止事件(個人、法人)
約金2万円(官報公告費用)
(イ)管財事件(個人、法人)
①  個人
約金23万円
内訳:金21万円(管財人費用)+金2万円(官報公告費用)
②法人(負債総額金5,000万円以下の場合)
約金72万円
内訳:金70万円(管財人費用)+金2万円(官報公告費用)
ク 法人の自己破産手続と個人の自己破産手続の相違等
(ア)法人登記の閉鎖
法人は破産廃止決定(破産手続の終了)によって、破産手続が終了し、法人格が消滅します。そして、裁判所の嘱託登記申請により会社・法人登記が閉鎖されます。
(イ) 法人については、破産廃止決定によりに法人格が消滅するので、個人の破産手続と相違し、免責の問題は生じません。したがって、自己破産手続の免責事項を除いた事項が、「法人の自己破産手続のフローチャート」となります。
(ウ) 法人破産と代表者個人の破産
法人の代表者は、連帯保証をしている場合が通常です。そのため、法人が破産した場合は、代表者個人の連帯保証責任が顕在化します。そこで、法人破産と代表者等の連帯保証人が同時に自己破産申立をするのが通常です。
(4) 個人民事再生
ア 個人民事再生の意義
個人民事再生手続とは、住宅ローンを除いた債務の総額が、金5,000万円以下の場合、現在の収入の範囲内で、今までと変わらない仕事や生活を続けながら、裁判所の関与により「借金を減額、利息を免除」してもらい、3年~5年の間に借金の返済をし、生活を立て直すための制度です。 最大のメリットは、今、住んでいる住宅を手放すことなく、生活再建が可能な方法もあるということです。
イ 個人民事再生手続の種類と概要
(ア)小規模個人民事再生手続
(意義)小規模個人再生とは、住宅ローン以外の借金の総額が金5,000万円以下であり、継続して収入を得る見込みがある個人の方が利用できる手続です。
この場合、原則として3年間で、「①法律で定められた最低弁済額(下記のとおり)」か「②清算価値保障額(保有している財産の現在の合計金額、下記のとおり)」の何れか多い方の金額を支払わなければなりません。
また、民事再生の返済計画を裁判所に認めて貰うためには、「①債権者数の過半数の反対」がなく、かつ、「②債権総額の2分の1以上の反対」がないことが必要です。
*支払額の算定方法
①法律で定められた最低弁済基準額
(あ)借金の総額が金100万円未満   借金そのままの額
(い)金100万円以上金500万円未満  金100万円
(う)金500万円以上金1,500万円未満 借金総額の5分1
(え)金1,500万円以上金3000万円未満 金300万円
(お)金3,000万円以上金5,000万円未満 借金総額の10分の1
②清算価値保障額
現在保有している財産価値の総額は、最低限支払わなければならないという意味です。
清算価値の算定に当っては、以下の財産については、清算価値としない運用がされています。
(ⅰ)金99万円までの現金
(ⅱ)残高が金20万円以下の預貯金
(ⅲ)見込み額が金20万円以下の生命保険解約返戻金
(ⅳ)価値が金20万円以下の自動車
(ⅴ)賃借物件の敷金
(ⅵ)支給見込み額の8分の1が金20万円以下である退職金
(ⅶ)家財道具
(ⅷ)法律上、差押えを禁止されている財産
③可処分所得
民事再生をする人の収入から、所得税・住民税・社会保険料を控除し、更に政令で定められた生活費の金額を差し引いた後の所得の余剰分のことです。
(手続)
小規模個人再生の特則の適用を求める債務者は、その旨の申述を、「①自己申立ての場合は、民事再生手続開始申立ての際」に、「②債権者申立の場合は、民事再生手続開始決定まで」に行わなければなりません。
あ 申立人・利用可能者
(あ)申立人
債務者はもちろん、債権者も申し立てられます。
(い)利用可能者
利用できる人は、次の3つの条件を充たす個人です。
①支払不能となる事実の生ずるおそれがあること
②将来、継続的に又は反復して収入を得る見込みがある人
*弁済原資である収入が、3年から5年に亘り、少なくとも3か月に1回の割合で得られる見込みがあること。
(該当者の例)
給与所得者、年金生活者、賃料収入がある者、パートタイマー・保険外交員、タクシー運転手等の歩合による給料や報酬の取得者、個人商店主、農業・漁業従事者等
③借金の総額が、金5,000万円以下の人
*ただし、「住宅ローン」を除き、「担保がついている借金は担保処分による弁済可能額」を差し引いて計算します。
い 小規模個人再生手続の簡単な流れ
①債務者による民事再生手続申立
債務者の住所地の地方裁判所が管轄裁判所となります。
②小規模個人再生を求める申述
③裁判所の認可
申立後、債権調査の手続を経て、再生計画案(借金の返済計画案)を作成し、裁判所の認可を受けます。
(再生計画案認可の要件)
再生計画案が認可されるためには、「(a)債権者の過半数、かつ、(b)債権総額の2分の1以上」の同意が必要です。
④再生計画どおりに債務を弁済した後の残債務の責任
債務者は、認可された再生計画どおり弁済すれば、残りの借金を支払う責任を免れます。
⑤再生計画で提示する弁済金の額
最低弁済額は、「法律で定められた最低弁済基準額」又は「保有している財産の現在の合計額(清算価値保障といいます)」の何れか多い方の金額です。
* ・通常、民事再生を申し立てる方は高価な財産を有していない場合が多いので、最低弁済基準で算出された金額を弁済することが、ほとんどです。
・上記の金額を3年間で分割して支払う(特別な事情がある場合は5年以内)。
(イ)給与所得者等再生手続
(意義)給与所得者等再生とは、小規模個人再生を利用できる人のうちで、給与等の安定収入があり、収入の変動幅が小さい人が利用できる手続です。
この場合、「①最低弁済額」、「②清算価値保障額」及び「③可処分所得(収入から所得税等を控除し、更に政令で定められた生活費を差し引いた金額)の2年分」のうち、いずれか多い方の金額を最低限として支払わなければなりません。その結果、小規模個人再生より支払額が多くなるのが一般的です。
また、小規模個人再生と異なり、「①債権者数の過半数」及び「②債権額の2分の1以上」の反対がないことは要件とされていません。
*支払額の算定方法
①法律で定められた最低弁済基準額
(あ)借金の総額が金100万円未満   借金そのままの額
(い)金100万円以上金500万円未満  金100万円
(う)金500万円以上金1,500万円未満 借金総額の5分の1
(え)金1,500万円以上金3000万円未満 金300万円
(お)金3,000万円以上金5,000万円未満 借金総額の10分の1
②清算価値保障額
現在保有している財産価値の総額は、最低限支払わなければならないという意味です。
清算価値の算定に当っては、以下の財産については、清算価値としない運用がされています。
(ⅰ)金99万円までの現金
(ⅱ)残高が金20万円以下の預貯金
(ⅲ)見込み額が金20万円以下の生命保険解約返戻金
(ⅳ)価値が金20万円以下の自動車
(ⅴ)賃借物件の敷金
(ⅵ)支給見込み額の8分の1が金20万円以下である退職金
(ⅶ)家財道具
(ⅷ)法律上、差押えを禁止されている財産
③可処分所得
民事再生をする人の収入から、所得税・住民税・社会保険料を控除し、更に政令で定められた生活費の金額を差し引いた後の所得の余剰分のことです。
あ  利用可能者
利用できる人は、小規模個人再生手続を利用できる人で、かつ、給与等定期収入を得る見込みがあり、その額の変動幅が小さいと認められる者です。
い  給与所得者等再生手続の利用者は小規模個人再生手続の利用も可能です。
う  債権者の同意の有無
債権者の同意は不要で、再生計画案の認可が行われ、認可された額を支払えば残りの債務は免除されます。
そのため、再生計画案の最低弁済額の条件が追加されています。
え  最低弁済額と分割払の年数
①最低弁済額は、「小規模個人再生手続の最低弁済額」または「収入から最低生活費を差し引いた額(可処分所得)の2年分」です。
②分割払の年数は、3年間です(特別な事情を勘案されれば5年間となります)。
(ウ)住宅ローンに関する特則適用の有無による相違
あ 住宅ローン特則の適用がある場合
(あ)意義
個人債務者再生手続の中で、住宅資金特別条項を定め、住宅を保持しながら借金を整理することができます。住宅ローン以外の借金は再生手続で一部免除を受け、住宅ローンは返済方法を変更して住宅を維持することができます。
(い)住宅ローン特則が適用されるための要件
①個人である再生債務者が所有し,債務者の居住の用に供する建物であり、専ら自己の居住の用に供される部分が床面積の2分の1以上であること。
②住宅の建設・購入・改良に必要な資金の貸付によって生じた債権であり、分割支払いの定めがあり、当該債権又は保証会社の求償債権を被担保債権とする抵当権が設定されていること。
③住宅に、住宅ローン以外の担保権が設定されていないこと。
④保証会社が代位弁済等をしている場合、保証債務履行後6か月を経過していないこと。
(う)その他のポイント
①小規模個人再生又は給与所得者等再生の手続とも併せて、利用が可能です。
②住宅ローン特別条項による支払と、再生手続による支払とは 別枠なので、支払が二重になります。
③特別条項は、裁判所の認可で効力を生じ、保証人にも効果が及びます。
*保証人がいる場合、住宅ローン特則が適用されれば、保証人にも主債務者の民事再生の効力が及び、保証人は、主債務者の圧縮された債務を保証するだけで済みます。
④認可の見込みがあるときは、裁判所は、進行中の競売手続も中止することができます。
⑤保証会社の代位弁済後も6か月間は、債権を元に戻して返済することができます。
(え)特別条項の内容
予定されている特別条項は次のとおりです。
(債務額などの削減はないので、約束の債務全額を支払わなければならないので、債権者の同意は不要です。)
①期限の利益を回復する特別条項
②最終弁済期間を延長する特別条項
③債権者の同意があれば、更に期限を延長し、損害金を免除するなどの特別条項を定めることもできます。
(お)申立書提出の効力
申立書を提出すると、債権者が直接に取立てることを禁止されます。
禁止をするための方法は、受理証明書を取得して債権者に通知するというものです。
(か)裁判所への申立てに当っての主な提出書類は次のようなものです。
①申立書 ②陳述書 ③財産目録 ④債権者一覧表 ⑤戸籍謄本 ⑥住民票 ⑦収入を証する書面 ⑧財産の価格証明書⑨住宅ローン特則を利用する場合は民事再生規則102条記載の書面
(き)手続費用の概略
①裁判所に納める予納金、切手代、収入印紙代等
約金3万円~金5万円
②個人再生委員の費用 
約金25万円 
③他に司法書士、弁護士への依頼費用
い 住宅ローン特則の適用がない場合
保証人がいる場合、保証人には主債務者の民事再生の効力が及ばず、保証人は主債務者が負っていた圧縮前の債務を保証することになります。
ウ 個人民事再生のフローチャート
①司法書士(書類作成者として)又は弁護士(代理人として)が委任を受けた場合、債権者へ受任通知を発送する。
②民事再生申立書類を作成し、裁判所へ民事再生の申立を行う。
③民事再生開始決定
裁判所は、民事再生開始決定と同時に、「債権届出期間」と「一般異議申述期間」を定める。
管轄裁判所によって異なりますが、6か月前後、債務者に対し「積立て練習期間」を設けます。
④再生委員との面談、あるいは再生審問
⑤債権届出異議申立
⑥債権総額の確定
⑦報告書・財産目録の提出
⑧今後の支払方法についての「再生計画案」の提出
⑨再生計画案に対する書面決議又は意見聴取
・小規模個人再生手続の場合 再生計画案に同意するか否かの書面決議を行う。 ・給与所得者等再生手続の場合 意見聴取が行われ、書面決議はなし。
⑩再生計画の認可、不認可決定
⑪弁済がスタートする。
*この手続終了まで、約6か月ほどかかります。
エ 個人民事再生のメリット・デメリット
(ア)メリット
①住宅の保持が可能
自己破産と相違し、住宅等の高価な財産を保持しながら借金の整理ができます。
②借金の減額が可能
自己破産と相違し、借金はなくなりませんが、住宅ローン以外の借金が大幅に減額されます(住宅ローンは減額されません)。
③資格制限されることはない。
自己破産と相違し、個人民事再生手続期間中の資格制限はありません。
④賭博等の借金でも個人民事再生が可能
自己破産と相違し、借金の原因による法律上の制限がないので、賭博等による借金でも個人民事再生手続の対象になります。
(イ)デメリット
①借金の支払は続けなければなりません。
住宅ローンについては全額を、その他の借金については、減額された金額を支払っていかなければなりません。
②信用情報機関へ登録されます。
事故情報として、信用情報機関へ登録されますので、5~7年間位、銀行・消費者金融等から新たな借入れができなくなったり、クレジットカードが使えなくなったり、新しく作られなくなったりすることがあります。
オ 自己破産と個人民事再生の「同一内容」と「相違」
(ア)同一内容
保証人の立場
「①自己破産により、債務者が免責された場合」でも、「②個人民事再生により、債務者の債務が減額された場合」でも、保証人は残債務の全額を支払わなければなりません。
(イ)相違
自己破産と民事再生では、「①借金の減額・免除、②財産処分の有無、③資格制限の有無」の点で相違します。
①借金の減額・免除
・自己破産―原則として借金が全て免責されます。
・個人民事再生―大幅に借金が減額されますが、減額後の借金を返済する必要があります。
②財産処分の有無
・自己破産―生活に不可欠でない高価な財産(現在価値が金20万円以上の財産や、金99万円以上の現金)は処分されます。
・個人民事再生―保有している財産の価格は、最低限弁済しなければなりませんが(このことを、清算価値保障といいます。)、財産が処分されることはありません。
③資格制限の有無
自己破産―破産手続開始決定後、免責決定がなされるまでの間、「弁護士・司法書士・税理士・保険募集人・警備員等の資格」を必要とする職業に就くことが制限されます。
個人民事再生―自己破産と相違し、資格制限はありません。
(5) 法人の民事再生
ア 民事再生の申立方法等
(ア)管轄裁判所
民事再生開始手続の申立は、地方裁判所の管轄です。
(イ)民事再生開始手続の申立
民事再生開始手続の申立方法には、下記の方法があります。
① 弁護士に申立代理を委任する。
② 法人(会社及び法人のことです。以下、「法人」といいます。)自身が申し立てる。
*民事再生開始手続の申立は、地方裁判所の管轄なので、司法書士は代理人となれませんが、裁判書類作成権限があるので、法人自身が申し立てる場合には、民事再生の裁判書類を作成することができます。
・ しかし、実際には、法人自身が申し立てた場合には、法人の代表者が「裁判所との折衝」や「債権者との交渉」などを行うことは不可能に近いです。
・ よって、民事再生開始手続の申立は、弁護士に委任することをおすすめします。
(ウ)用語の説明
① 再生債務者
経済的苦境にある債務者であって、その者について、再生開始手続の申立がなされ、再生開始手続の決定がなされ、又は再生計画が遂行されている者をいいます。
② 再生債務者等
下記の者をいいます。
(ⅰ) 管財人が選任されていない場合にあっては、再生債務者
(ⅱ) 管財人が選任されている場合にあっては、管財人
③ 再生計画
再生債権者の権利の全部又は一部を変更する条項その他の民事再生法154条に規定する条項を定めた計画をいいます。
④ 再生手続
民事再生法に則り、再生計画を進める手続をいいます。
イ 法人の民事再生法の適用
(ア)民事再生開始手続の申立(破綻前に申立が可能)
民事再生開始手続の申立は、経営状態が悪化した企業が、破綻をする前の段階で裁判所に申立をし、「破産した場合の配当額以上の金額を弁済すること」によって、弁済後に残った債務を免除してもらう手続のことです。
・この場合、会社更生法と相違し、「取締役・代表取締役等の役員」が継続して営業を続けることができます。
(イ)再生計画案の提出時期
民事再生開始手続の申立をした場合、再生債務者等は、債権届出期間満了後、裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出しなければなりません。
* 再生計画案の事前提出
再生債務者等は、再生開始手続の申立後、債権届出期間の満了前に、再生計画案を提出することができます。
(ウ)再生計画案の可決の要件等
再生計画案を可決するには、下記の同意のいずれもが必要です。
(ⅰ) 議決権者(債権者集会に出席した者又は書面等投票をした者)の過半数の同意
(ⅱ) 議決権者の議決権の債権総額の2分の1以上の議決権を有する者の同意
* 上記の「債権総額」とは、下記を除いた金額のことです。
a 抵当権等の担保を付された債権
b 租税債権(法人税・固定資産税・消費税等)
c 労働債権
(エ)再生計画が可決された場合の法人の継続
清算中若しくは特別清算中の法人又は破産手続開始後の法人である再生債務者について再生手続が開始された場合において、再生計画案が可決されたときは、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、法人を継続することができます。
(オ)再生計画の認可又は不認可の決定
再生計画案が可決された場合には、裁判所は下記の場合を除き再生計画認可の決定をします。

* 再生計画不認可の決定をする場合
① 再生手続又は再生計画が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。
・ただし、当該違反の程度が軽微であるときを除く。
② 再生計画が遂行される見込みがないとき。
③ 再生計画の決議が不正の方法によって成立したとき。
④ 再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反するとき。
(カ)再生計画の効力発生時期
再生計画は、認可の決定の確定により効力を生じます。
(キ)再生計画の効力範囲
再生計画は、再生債務者、すべての再生債権者及び再生のために債務を負担し、又は担保を提供する者のために、かつ、それらの者に対して効力を有します。
(ク)再生計画認可後の手続
再生計画認可の決定が確定したときは、再生債務者等は、速やかに、再生計画を遂行しなければなりません。
(ケ)再生手続の終結
① 再生計画認可の決定が確定したとき。
* ただし、監督委員又は管財人が選任されている場合を除く。
② 監督委員が選任されている場合において、下記の場合は、裁判所は、再生債務者若しくは監督委員の申立により又は職権で再生手続終結の決定をしなければなりません。
(ⅰ) 再生計画が遂行されたとき。
(ⅱ) 再生計画認可の決定が確定した後3年を経過したとき。
③ 管財人が選任されている場合において、下記の場合は、再生債務者又は裁判所の職権で、再生手続終結の決定をしなければなりません。
(ⅰ) 再生計画が遂行されたとき。
(ⅱ) 再生計画が遂行されることが確実であると認められるに至ったとき。
ウ 民事再生開始手続を申し立てるための要件
民事再生開始手続を申し立てるには、下記の要件が必要です。
① 営業利益が確保できること
民事再生開始手続の申立をしても、「過去の債務のうち免除されなかった債務」・「抵当権等の担保が付された債務の全額」・「租税債務」・「労働債務」については、支払をしなければなりません。
  ・したがって、今後、営業利益を見込めない企業は、民事再生の申立ができません。
② 資金の裏付けがあること
民事再生開始手続の申立をするには、下記のような費用負担が必要です。
そこで、その資金を用意できることが要件となります。

(ⅰ)裁判所に納める予納金
負債総額が多額になるのに応じて、予納金額が多くなります。
* 一般的には、数百万円以上となります。
(ⅱ)申立代理人弁護士の業務報酬
負債総額が多額になるのに応じて、業務報酬が多くなります。
* 一般的には、数百万円以上となります。
(ⅲ)民事再生申立後の運転資金
③ 免除してもらえない債務があること
エ 民事再生法のフローチャート
下記は、民事再生手続のフローチャートの一例です。
オ 民事再生の問題点
(ア)民事再生のリスク
民事再生開始手続を申し立てた場合、下記のようなリスクが伴います。
① 倒産企業のレッテルを貼られます。
② 官公署の許認可を受けている場合、その許認可が剥奪されることがあります。
・建設業者等の場合、官公署のランク付けが下がってしまう場合があります。<・
③ 同業他社から、得意先を奪われるような行動を起こされる場合もあります。
(イ)民事再生開始手続の申立にたっての注意点
① 民事再生に精通した弁護士を依頼する費用負担ができるか。
② 業務に精通した税理士・公認会計士を依頼する費用負担ができるか。
* 民事再生申立後に作成する財産評定については、税理士や公認会計士のサポートが必要です。
・財産評定については、下記の事項が問題となります。
(ⅰ)時価評価額をどう算出するのか、その根拠は何か。
(ⅱ)破産的清算の場合の配当率は何%か。
(ⅲ)債務免除益に対する課税をどう解決するのか。
③ 民事再生開始手続の申立が認可され、会社の債務が減額できたとしても、個人保証した人の責任はそのまま継続します。
カ 民事再生開始手続の申立方法
(ア)民事再生申立手続の方法には、下記の3つの方法があります。
① 原則的再生申立手続
② 簡易再生手続
③ 同意再生手続
* ただし、上記②・③の方法を利用できることは、めったにありません。
(イ)民事再生申立手続の詳細
① 原則的再生申立手続
上記の説明どおりです。
② 簡易再生手続
あ 意義
裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の開始前において、再生債務者等の申立があったときは、簡易再生の決定をします。
い 条件
再生債務者等の申立は、届出再生債権者の総債権について、裁判所が評価した額の5分の3以上に当る債権を有する届出再生債権者から、書面によって下記事項の同意を得ることが条件となります。

(ⅰ)再生債務者が提出した「再生計画案」
(ⅱ)「再生債権の調査」及び「確定手続」を省略すること
う  「上記い」の2つの同意を得た場合
再生債権調査・確定手続を経ることなく、短期間で認可決定を得られます。
え 申立可能期間
債権の届出期間の経過後、一般調査期間の開始前までです。
* 金融機関が、同意することはほとんど期待できません。
  ・したがって、債権者の中に金融機関がいる場合は、簡易再生はほぼ不可能です。
お 簡易再生申立後の手続
簡易再生の申立があると、2か月前後に、債権者集会が開催されます。
か 可決要件・その他
可決要件及びその後の流れは、一般の民事再生手続と同じです。
③ 同意再生手続
あ 意義
裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の開始前において、再生債務者等の申立があったときは、同意再生の決定をします。
い 条件
再生債務者等の申立は、すべての届出債権者が、書面によって下記事項の同意を得ることが条件となります。

(ⅰ)再生債務者等が提出した再生計画案
(ⅱ)再生債権調査及び確定の手続を経ないこと
(6)特別清算手続
ア 特別清算手続の意義
特別清算手続は、通常の清算手続を行っている株式会社について、「①清算の遂行に著しい支障を来すべき事情がある場合」又は「②債務超過の疑いがある場合」に、利害関係人の申立により開始される特別な清算手続です。
(ア)清算手続の方法
清算手続では、債権者に対する平等弁済を確保するために、債権申出催告期間内の弁済が禁止されているものの、その後における債権者の個別権利行使は許容されていますが、清算手続の円滑な遂行のために、これを制限する必要がある場合もあります。
また、債権者が、清算手続への協力の前提として、裁判所の監督下における透明な清算手続としての特別清算手続の遂行を求める場合もある。
(イ)清算手続が目的とする清算の結了
本来は、清算会社が負担する債務とその引当となるべき資産の双方が完全になくなることを意味するとから解されるので、無担保債権の全額を弁済するについて資産が不足する場合には、債務の減免を得ることが必要であり、任意の減免が得られない場合には、そのために特別清算手続を利用することが必要となります。
イ 特別清算手続の概要
(ア)特別清算開始申立の前提要件
あ  特別清算手続を利用できる会社
①株式会社であること
②清算中の会社であること
*清算会社の例:設立無効及び株式移転の判決が確定した場合も清算の原因となるが、ほとんどは解散した場合である。
③清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること、又は債務超過の疑いがあること
(ⅰ)清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること
(ⅱ)債務超過の疑いがあること
(ⅲ)会社法514条所定の事由(下記のとおり)がないこと

a 特別清算手続の費用の予納がないとき
b 特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき
c 特別清算によることが、債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき
d 不当な目的で特別清算開始の申立がなされたとき、その他申立てが誠実になされたものでないとき
(イ) 株式会社解散までの準備と解散
あ 特別清算手続の利用例
特別清算手続は、株式会社の通常清算手続の特則として規定されています。
(最近の実際の運用例)
事業再生の一環として、事業譲渡又は会社分割後の譲渡会社又は分割会社の清算のために利用される例が多いです。
事業上の取引は継続しながら、主に金融機関の債権者の返済を一定期間停止し、事業上の資産及び負債だけを譲受会社又は新設会社ないし承継会社に引き継がせ、主に金融機関の債権者のみを譲渡会社又は分割会社に残して特別清算手続により処理する方法です。
い 解散までになすべきこと
(あ)株主総会における解散決議(特別決議)が必要である。
解散決議は特別決議となるので、議決権を行使することができる株主の半数以上が出席し、かつ当該株主の議決権の3分の2以上の多数の同意が必要です。
(い)債権の確定手続が存在しないため争いのある債権等はできるだけ事前に解決しておかなければならない。
(う) 資産の処分がスムーズに行われるように事前に準備をしておかなければならない。                      * 解散は登記事項(登記は第三者対抗要件) 
   解散した場合、解散登記をするまでは、解散の事実を善意の第三者に対抗することができません。
  ・つまり、解散したことを、善意の第三者(解散したことを知らない第三者)に主張できません。
う 清算株式会社(会社が解散した場合)の機関
清算株式会社の機関は、「①株主総会 

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