コラム

 公開日: 2012-09-04  最終更新日: 2015-06-05

【24.会社設立・法人設立・組織変更】

☆逐次、情報を更新しておりますので、最新の情報は、当事務所のホームページをご覧ください。
http://www.taguchi-shihou.com/gyoumu/index.html


(当事務所の取扱業務)
① 登記申請の代理、登記申請書作成、登記申請手続事務の相談
② 登記付属書類の作成代理、それらの書類作成の相談
③ 株式会社・一般社団法人等の定款作成、定款認証手続の代理
④ 会社設立・組織変更・法人設立に関する文案書類の作成代理、文案書類作成の相談


(第1 会社(営利法人) ・ 第2 組織変更 ・ 第3 法人(非営利法人) ・ 第4 個人商号登記)
第1 会社(営利を目的とする法人)
1 新会社法
(新会社法の意義)
平成18年5月1日に施行された新会社法は、最近の社会経済情勢の変化に対応するため、会社に関する各種制度を見直すとともに、会社法の条文を現代用語の表記にして、分かり易く再編成しました。
以下は、新会社法施行前の旧商法・有限会社法における会社規定と、新会社法における会社規定の相違点です。

(ア)新会社法の基本的な考え方
① 会社法制の現代化 ②会社法制の規制の緩和・自由化 ③機能的な観点からの整理
(イ)旧商法に規定されていた「合名会社・合資会社」
新会社法の施行に伴い、合名会社・合資会社のほかに合同会社制度を設け、持分会社として、新会社法に規定されました。
(ウ)有限会社制度の廃止
新会社法は、有限会社法を廃止し、今後設立する会社に関しては、有限会社制度の適用を認めません。
あ 株式会社と有限会社とは、1つの会社類型として一本化され、1つの法典で規制されています。
い 現存する有限会社については、会社商号の中に「有限会社」の文字を残し、従来と変わらずに存続できます。ただし「①総会の名称は、社員総会ではなく株主総会」となり、「②社員の出資持分は、株式」となり、「③社員ではなく、株主」となります。
つまり、特例有限会社として、株式会社の1類型となっています。
う 特例有限会社の性質
①有限会社法は廃止され、会社法上の「株式会社」となりました。
②機関設計
  (ⅰ)株主総会
  (ⅱ)取締役会
    ・取締役会は、設置できません。
    ・取締役を2名以上置いた場合は、代表取締役を置くことができます。ただし、共同代表の定めはできません。
③株式を譲渡する場合は、株主総会の承認決議を要します。
④取締役・監査役の任期は、定款に定めない限り無期限となります。
⑤ 旧有限会社法時に、累積投票の定めがなされていなかった場合、累積投票の請求ができない旨の定款の定めがあるものとみなされます。
*累積投票の意義
多数派による取締役の独占を阻止するための制度です。
つまり、「株式会社が、株主総会において、同時に2人以上の取締役を選任する場合、一株につき選任すべき取締役の数だけの議決権を与え、それを特定の人に集中して行使することを許容する制度」のことです。
⑥会社法施行前に監査役を置いている場合は、監査の範囲を会計に限定しているものとみなされます。ただし、定款を変更して業務監査権を付与することができます。
⑦決算公告は不要です(株式会社は、決算期後、決算公告をすることが義務付けられています)。
⑧特例有限会社から下記会社への組織変更することが可能です。
記.
  (ⅰ)株式会社 (ⅱ)持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)
(エ)持分会社制度
合名会社・合資会社に、新しい企業形態である「合同会社」を加えて、これらを持分会社と総称し、会社法に規定されました。
2 新会社法における会社とは
会社とは、営利活動をなすことを目的として法人格を取得したものであり、株式会社と持分会社(①合名会社 ②合資会社③合同会社)の2種に分類されます。
3 株式会社
株式会社は、旧有限会社を統合したものであり、更にこれらは「①株式の流動性の高低(公開会社と非公開会社)」、「②規模の大小(大会社とそれ以外の会社)」という2つの基準で分類されています。
*① 公開会社と非公開会社
・公開会社=発行する株式の全部又は一部の譲渡が、自由(会社の承認なしに)にできる株式会社のことです。
・非公開会社=発行する株式の全部又は一部の譲渡をする場合、取締役会又は株主総会の承認を必要とする株式会社のことです。
  ② 大会社と大会社外の会社(いわゆる中小会社)
・大会社=資本金5億円以上又は負債200億円以上の株式会社のことです。
・大会社以外の会社=資本金5億円未満かつ負債200億円未満の株式会社のことです。
(1) 株式会社の設立手続
株式会社は、「①定款の作成(公証人の認証が必要)  ②出資者たる社員(株主)の確定 ③取締役会・監査役の設置等の機関決定」等をなし、本店所在地において設立の登記をすることにより、法人格を取得します。
なお、株式会社の設立方法には、発起設立と募集設立があります。
 *定款の意義
定款とは、実質的意義においては、「会社の組織・活動を定めた根本規則」であり、形式的には、「これらの事項を記載した書面」のことをいいます。
ア 発起設立
発起設立とは、発起人が、設立の際に発行する株式(設立時発行株式といいます。)の全部を引き受ける形態の設立方法をいいます。
発起設立は、発起人が設立時発行株式の全てを引き受けるため、他の利害関係人が存在しないので、募集設立よりも規制が緩やかです。
(ア)発起人とは
発起人とは、実質的には会社設立の企画者ですが、形式的には定款に発起人として署名・押印(又は記名・押印)した者をいいます。なお、各発起人は、必ず1株以上の設立時発行株式を引き受けなければなりません。
あ 発起人の資格
発起人の資格には、別段の制限はありません。
(発起人になれる例)
(ⅰ)成年の自然人
(ⅱ)制限能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人)
(ⅲ)法人
(ⅳ)外国人
い 発起人の員数
1人以上であれば何人でも差支えありません。
(イ)発起設立の登記に必要な主な添付書類
①定款(公証人が認証した定款)
②設立時役員の就任承諾書
③払込証明書(発行株式の金員が払い込まれた「発起人代表者の銀行通帳」等)
④印鑑証明書等
(ウ) 株式会社の設立時の定款には、発起設立・募集設立とも、公証人の認証が必要です。
イ 募集設立
募集設立とは、発起人が設立時発行株式の一部を引き受け、そのほかに株式引受人を募集して、株式会社を設立する形態の設立方法をいいます。
*募集設立は、募集に応じた株式引受人を保護する必要があります。そのため、「創立総会の開催」や、設立登記申請書の添付書類として、株式払込金を証明するため、払込証明書に替えて株式払込取扱機関(銀行等金融機関)が発行する「払込金保管証明書」が必要となるなどの規制があります。
(ア)募集設立の登記に必要な主な添付書類
①定款
②設立時役員の就任承諾書
③払込金保管証明書(銀行等金融機関の発行した証明書)
④印鑑証明書
⑤創立総会議事録等
(イ) 株式会社の設立時の定款には、発起設立・募集設立とも、公証人の認証が必要です。
ウ 登記簿(登記記録)に記載される事項
発起設立・募集設立とも、登記簿(登記記録)に記載される主な事項は、次のとおりです。
①商号 ②目的 ③本店の所在場所 ④公告方法
⑤発行可能株式総数  ⑥発行済株式の総数⑦資本金の額 ⑧取締役の氏名 ⑨代表取締役の住所氏名    
⑩株券発行会社であるときはその旨 ⑪取締役会設置会社であるときはその旨 ⑫監査役設置会社であるときはその旨
(2) 株式会社設立に際しての疑問点について
ア 商号
・ 商号は、公序良俗に反しなければ自由に選定することができます。
・ 商号には「①漢字 ②カタカナ ③ひらがな ④ローマ字」を使用することができます。
(ア)商号の調査
あ 同一商号登記の調査
必要です。
(理由)
会社の設立登記に際しては、同一所在場所(会社の場合は本店)で、同一商号を使用することが禁じられています。
そこで、法務局にて、「同一所在場所」に「同一商号がないこと」を確認するための調査をする必要があります。
い 類似商号登記の調査
不要です。
(理由)
 (ⅰ)旧商法第19条の商号登記の排他力の規定(類似商号の規定:同一市町村内において、同一営業のための商号の登記はすることができない)は削除されました。
 (ⅱ)旧商業登記法第27条(類似商号登記の禁止規定:商号の登記は、同一市町村内においては、同一営業のため他人が登記したものと判然区別することができないときは、登記することができない)も削除されました。
(イ) 不正競争の目的による商号使用の禁止
不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある商号を使用することは禁じられています。
*商号使用によって、営業上の利益を侵害され又は侵害されるおそれのある会社は、営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれのある者に対して、侵害の停止又は予防を請求することができます。
イ 会社の目的
会社の目的とは、会社の事業内容のことです。この事業内容は定款に記載され、会社事業活動は、定款に記載された目的の範囲に拘束されます。
*類似商号規制の廃止に伴い、目的を細分化する必要はなく、包括的な定款の記載も認められます。ただし、広く一般人が、容易に事業内容を判断できるように、ある程度の明確性、具体性を持たせるべきです。
ウ 最低資本金制度の撤廃
資本金1円でも、株式会社を設立することができます。
(理由)
旧商法は、株式会社の最低資本金を1,000万円としていましたが、会社法は、最低資本金制度を撤廃しました。
エ 株主数
1人以上です。
オ 機関設定
「①株主総会、②取締役」は、必ず設置しなければなりませんが、「③取締役会 ④監査役 ⑤会計監査人」等を置くかどうかは任意です。
カ 取締役・監査役の任期
あ 取締役の任期
公開会社・非公開会社とも=原則、2年です。
(ⅰ)公開会社 =短縮のみ可能です。
            (定款に定めることにより、1年まで短縮できます。)
(ⅱ)非公開会社=短縮も伸長も可能です。
            (定款に定めることにより、1年以上10年以内とすることができます。)
い 監査役の任期
公開会社・非公開会社とも=原則として4年です。
(ⅰ) 公開会社  =短縮も伸長もできません。
(ⅱ)非公開会社=伸長のみ可能です。
            (短縮はできませんが、定款に定めることにより、10年まで伸長できます。)
4 持分会社
持分会社とは、「(ア)合名会社 (イ)合資会社 (ウ)合同会社」の総称です。 各会社の社員構成は、下記のとおりです。
(ア)合名会社
社員全員が、「無限責任社員」である会社をいいます。
(イ)合資会社
社員が、「無限責任社員と有限責任社員」で構成されている会社をいいます。
(ウ)合同会社
社員全員が、「有限責任社員」である会社をいいます。
* 社員の意義
会社法上の社員とは、会社という社団の構成員をいいます。
①株式会社  =社員とは、株主のことです。
②特例有限会社=社員とは、株主のことです。
③合名会社  =社員とは、無限責任社員のことです。
④合資会社  =社員とは、無限責任社員及び有限責任社員のことです。
⑤合同会社  =社員とは、有限責任社員のことです。
(1)持分会社の設立
持分会社を設立するには、社員となろうとする者が定款(公証人の認証は不要)を作成し、その全員がこれに署名又は記名押印し、「社員の氏名又は名称及び住所」、「社員の無限責任又は有限責任の区別」等を記載(又は記録)した上で、本店所在地において設立の登記をすることにより成立します。
ア 合名会社
合名会社とは、社員全員が、無限責任社員である会社をいいます。
(ア)設立の登記
合名会社は、本店の所在地において会社設立の登記をすることにより成立します。
・これによって、法人格を与えられた会社は、権利義務の主体となります。
・合名会社の設立登記における主な添付書面は、次のとおりです。
 (ⅰ)定款(公証人の認証は不要)
 (ⅱ)代表社員を定めたときは、その互選を証する書面及び代表社員の就任承諾書
 (ⅲ)委任状
    司法書士等を代理人として登記申請をする場合に添付します。
(イ)登記簿(登記記録)に記載される事項
 (ⅰ)商号
 (ⅱ)本店
 (ⅲ)公告をする方法
 (ⅳ)目的
 (ⅴ)社員に関する事項
    社員の住所氏名、代表社員の氏名
イ 合資会社
合資会社とは、社員が「無限責任社員と有限責任社員で構成されている会社」をいいます。
(ア)合資会社の設立手続
あ 定款の作成
合資会社の設立のためには、定款の作成(公証人による定款の認証は不要)が必要です。
定款には、次の絶対的記載事項(法律の規定により、必ず記載しなければならない事項)を記載し、これに無限責任社員及び有限責任社員の全員が署名又は記名・押印します。
(ⅰ)目的
(ⅱ)商号
(ⅲ)社員の氏名・住所
(ⅳ)本店及び支店の所在地
(ⅴ)社員の出資の目的、及びその価格
(ⅵ)各社員の有限又は無限の別
い 出資の履行とその時期
a 出資の目的
・ 無限責任社員は、財産出資(金銭出資、現物出資)のほかに、信用又は労務を出資の目的とすることができます。
・ 有限責任社員は、財産出資のみに限られます。
b 出資の履行時期
・ 各社員は、必ずしも会社設立時に出資全部の履行をしなければならないものではなく、全社員の合意もしくは定款によって履行期を定めることができます。
(理由)
出資時期が、上記のように緩やかなのは、合資会社の無限責任社員は、会社の債務につき、債権者に対し連帯・無限の責任を負うので、社員が出資した財産の額は、債権者にとって必ずしも重要な関心事とはいえず、また出資の全部履行がなされていなくても会社債権者を害するものではないからです。
(イ)設立の登記
合資会社は、本店の所在地において会社設立の登記をすることにより成立します。
これによって、法人格を与えられた会社は、権利義務の主体となります。
(設立登記の主な添付書類)
(ⅰ)定款(公証人の認証は不要)
(ⅱ)有限責任社員の出資の履行を証する書面(出資金領収書等)
(ⅲ)総社員の同意書(無限責任社員中から会社代表者を定めたとき等)
(ⅳ)ある社員の一致があったことを証する書面
 (定款で、本店・支店の具体的所在場所を定めなかったときは、この書面によって定める)
(ⅴ)委任状
   司法書士等を代理人として登記申請をする場合に添付します。
(ⅵ)官庁の許可を要する事項の登記を申請する場合には、官庁の許可書又は認証がある謄本。
(ウ)登記簿(登記記録)に記載される事項
登記簿(登記記録)には、次の事項が記載されます。
(ⅰ)商号
(ⅱ)本店
(ⅲ)公告をする方法
(ⅳ)目的
(ⅴ)社員に関する事項
 ・無限責任社員・有限責任社員(有限責任社員の場合は履行した金額:責任の限度額を明らかにするため)の住所氏名
 ・代表社員の氏名
ウ 合同会社
社員全員が、有限責任社員である会社をいいます。
なお、出資者の責任が有限でありながら、会社の内部関係については、組合的規律が適用されています。
(ア)特徴
①人格が付与されています(会社として登記される)。
②内部規律の定款自治が強く認められています
  (原則として、社員全員が業務執行できる。ただし、業務執行社員を定めることも可能である等)。
③有限責任社員だけで構成されています(社員個人は、会社の債務を負担しない)。
④社員(出資者)は1名のみでも、設立・存続が可能です。
⑤株式会社と同じように、最低資本金制度はありません(出資金は1円でもよい)。
⑥社員全員が業務を執行できます(対外的に会社を代表できる)が、業務執行社員を定めることもできます。
⑦出資の対象は財産に限られており、信用や労務の出資は認められません。
⑧会社は合同会社として登記され、業務執行社員は登記事項ですが、社員は登記事項ではありません。
⑨業務執行社員の任期はありません(辞任しない限り、継続して業務執行社員の地位を有する)。
⑩設立時定款の認証は不要です。
⑪特例有限会社・合名会社・合資会社と同様に決算書類の公告義務
 (決算期毎に定款所定の公告方法にて、決算公告をしなければならない)はありません。
*株式会社は、決算期毎に決算書類の公告をしなければならない)。
⑫清算の方法として、合名会社・合資会社は法定清算又は任意清算を選択することができますが、合同会社は法定清算しか できません。
(イ)設立の手続
合同会社は、本店の所在地において設立の登記をすることによって成立します。
・設立登記のための主な手続は、次のとおりです。
あ 定款の作成(公証人の認証は不要)
社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名又は記名・押印しなければなりません。
い 設立時の出資の履行
合同会社の社員になろうとする者は、定款作成後、設立登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払込み又はその出資に係る金銭以外の財産(株式等の有価証券や不動産・動産等の財産です)の全部を給付しなければなりません。
(ウ)登記簿(登記記録)に記載される事項
  (ⅰ)商号
  (ⅱ)本店
  (ⅲ)公告をする方法
  (ⅳ)目的
  (ⅴ)資本金の額
  (ⅵ)社員に関する事項
     業務執行社員の氏名、代表社員の住所氏名
5 組織変更
ア 組織変更の意義
組織変更とは、会社の法人格はそのまま維持して、会社の組織を変更し、他の種類の会社に変更することです。
イ 会社合併・会社分割・株式交換・株式移転との相違
吸収合併・吸収分割・株式交換・株式移転は、「①複数の会社が契約により、一つの会社に権利義務の移転や株式の交換を行う場合」、あるいは「②新設会社を設立し、その会社に権利義務や株式の移転を行う場合」であって、これらの場合は法人格が否定されます。
・したがって、会社の同一性を維持して他の種類の会社に変更する組織変更と相違します。
ウ 組織変更の態様等
(ア) 組織変更が可能な場合
組織変更することができるのは、次の場合です。
① 株式会社から持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)へ
② 持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)から株式会社へ
③ 特例有限会社から株式会社へ(商号を変更することによって可能)
④ 特例有限会社から持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)へ
(イ) 組織変更ではなく「定款変更による会社の種類の変更」
次のような「持分会社の種類の変更」は定款を変更することによってなしえます。
① 合名会社の場合
  ⅰ 有限責任社員を加入させる定款変更により、合資会社へ
  ⅱ 社員の一部を有限責任社員とする定款変更により、合資会社へ
  ⅲ 社員の全部を有限責任社員とする定款変更により、合同会社へ
② 合資会社の場合
  ⅰ 社員の全部を無限責任社員とする定款変更により、合名会社へ
  ⅱ 社員の全部を有限責任社員とする定款変更により、合同会社へ
③ 合同会社の場合
  ⅰ 社員の全部を無限責任社員とする定款変更により、合名会社へ
  ⅱ 無限責任社員を加入させる定款変更により、合資会社へ
  ⅲ 社員の一部を無限責任社員とする定款変更により、合資会社へ
* これら持分会社の種類の変更があった場合、下記の登記をすることになります。
① 従前の持分会社については、解散登記
② 会社の種類の変更による持分会社については、設立登記
(ウ) 債務超過と組織変更
債務超過にある会社でも、組織変更が可能です。
(理由)
ⅰ 組織変更は、変更前の会社と変更後の会社の間に、法人格の同一性を維持しながら、その組織を他の種類の会社に変更する場合であるので、組織変更をしても会社の資産内容に変更が生じません。
ⅱ 会社法に、債務超過状態にある会社の組織変更を禁じる規定はありません。

第2 法人(営利を目的としない法人)
1 非営利法人
下記の法人は、営利を目的としない法人です。
①一般社団法人 ②一般財団法人 ③公益社団法人 ④公益財団法人 ⑤NPO法人 ⑥医療法人 ⑦農業生産法人
⑧社会福祉法人 ⑨学校法人 ⑩宗教法人 ⑪企業組合
2 各法人の説明
(1) 一般社団法人・公益社団法人
社団法人とは、一定の目的で構成員(社員)が結合した団体(社団)のうち、登記をすることにより法人格を取得し、権利義務の主体となるものをいいます。
ア  一般社団法人とは、一般社団・財団法人法に基づいて一定の要件を満たしていれば設立できる法人(準則主義といい、行政庁の許可は不要)で、事業目的に公益性がなくても構いません。
原則として、株式会社等と同様に、全ての事業が課税対象となります。
イ  一般社団法人の設立
2名以上の設立時社員が共同して作成した「定款」の認証を受け、設立時代表理事の選定等所定の手続を経たうえで、設立の登記をすることにより成立します。
ウ  公益社団法人とは、一般社団法人のなかで、公益法人認定法に基づいて、都道府県知事等により、公益性が認定された社団法人をいいます。この法人への寄附行為が一定の要件を満たす場合は、税額控除の対象となります。
(2) 一般財団法人・公益財団法人
財団法人とは、ある特定の個人や企業などの法人から拠出された財産(基本財産)で設立され、これによる運用益である金利などを主要な事業原資として運営する法人であり、法人格を付与された財団をいいます。
ア  一般財団法人とは、一般社団・財団法人法に基づいて一定の要件を満たしていれば、事業目的に公益性がなくても設立できる法人であり、原則として、株式会社と同様に、全ての事業が課税対象となります。
イ  一般財団法人の設立
一般財団法人は、定款の作成、財産の拠出、設立時評議員等の選任、設立時理事等による設立手続の調査を経て設立されます。
ウ  公益財団法人とは、一般財団法人のなかで、公益法人認定法に基づいて、都道府県知事等により、公益性が認定された財団法人をいいます。この法人への寄附行為が一定の要件を満たす場合は、税額控除の対象となります。
(3) NPO法人
ア  NPO法人(特定非営利活動法人)とは、特定非営利活動促進法に基づいて特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、同法の定めるところにより設立される法人のことをいいます。
イ  NPO法人の設立
法律所定の書類を添付した申請書を、所轄庁に提出し、設立の認証を受けた上で、登記をすることにより法人として成立します。
(4) 医療法人
ア  医療法人とは、病院、医師や歯科医師が常勤する診療所、または介護老人保健施設の開設・所有を目的とする社団(医療法人社団)又は財団(医療法人財団)をいいます。
イ  医療法人の設立
医療業務を行うのに必要な設備等のほか、「①医療法人社団の場合は社員及びその拠出を基礎とする定款」の作成が、「②医療法人財団の場合は無償寄附された財産に基づく寄附行為」の作成が必要となります。
  ・ 病院等を設置する都道府県の知事の認可を受けた上で、法人の登記をする必要があります。
(5) 農業生産法人
農業生産法人とは、農地法で規定された呼び名で、農地や採草放牧地を利用して農業経営を行うことのできる法人のことをいいます。
・ 農業生産法人になるためには、農事組合法人(農業経営を行うもの)、持分会社又は株式会社(株式会社については、全部の株式に譲渡制限を定めているもの)で、農地法に規定された一定の要件(事業要件、構成員要件、業務執行役員要件)を満たす必要があります。
*農業生産法人の詳細は、「34 農業生産法人」に記載しています (*「こちらをクリック」)。
(6) 社会福祉法人
ア  社会福祉法人とは、社会福祉事業を行うことを目的として、社会福祉法の定めるところにより設立された社会福祉法第22条で定義される法人をいいます。
イ  社会福祉法人の設立
設立者が定款を作成し、社会福祉事業を行えるだけの資産を備えることが必要となるので、設立者において寄附等を行った上で、社会福祉法施行規則の定める手続に従い、当該定款について所轄庁の認可を受ける必要があります。
・認可を受けた上で、設立の登記をすることで、法人格を取得します。
(7) 学校法人
ア  学校法人は、私立学校の設置を目的として、私立学校法の定めるところにより設立される法人をいいます。
・私立専修学校や私立各種学校の設置のみを目的とする法人として、いわゆる準学校法人と呼ばれるものもあります。
イ  学校法人の設立
学校法人・準学校法人を設立するには、所定の手続に従って、その設立を目的とする寄附行為について、所轄庁の認可を受ける必要があります。
・認可を受けた上で、主たる事務所の所在地において設立の登記をすることで、法人格を取得します。
(8) 宗教法人
ア  宗教法人とは、法人格を取得した宗教団体をいいます。営利を目的としない非営利団体であり、公益事業もできる公益法人のひとつです。
イ  宗教法人の設立
規則を作成し、所轄庁の認証を受け、登記をすることで宗教法人として成立します。
・なお、礼拝の施設を備える神社、寺院その他これらに類する団体の所轄庁は都道府県知事、上記の団体を包括する宗派、協会その他これらに類する団体の所轄庁はおおむね文部科学大臣です。
(9) 企業組合
中小企業等協同組合の一種で、中小企業等協同組合法に基づき、組合員が資本と労働力を出し合って事業を行う組合組織のことをいいます。
・組合員の3分の2以上が、自ら組合の事業に従事しなければならず、しかも、組合の実際の事業従事者の半分以上は組合員でなければなりません。

第3 個人商号登記
1 商号の意義
商号とは、個人商人(自然人たる商人のことです。)が、営業上、自己を表するために用いる名称のことです。
・商人は、その氏、氏名その他の名称をもって、その商号とすることができます(商法11条1項)。
2  「商号の登記の義務」の有無
個人商人は、その使用する商号を登記することができますが、登記をするか否かは、個人商人の自由です(商法11条2項)。
(商号の登記をした場合)
商号の登記をした場合は、下記の義務が生じます。
①登記事項に変更を生じたとき又はその事項が消滅あるいは商号を廃止したとき・遅滞なく、その変更又は消滅の登記をする義務があります(商法10条、商業登記法29条)。
・ ただし、株式会社のような登記期間の定めはありませんので、遅滞しても罰則は科されません。
②商人が未成年者であるとき又は後見人(未成年後見人・成年後見人)が本人(未成年者・成年被後見人)のために営業を行うとき・取引安全のために、所定の事項を登記しなければなりません(商法4条、5条、6条)。
3 商号の登記
商号の新設、変更、消滅については、その変更登記が必要です。
・ただし、商号の登記には、登記期間の定めはありませんので、遅滞しても罰則は科されません。
(1)商号新設の登記
商号新設の登記の登記事項は、下記のとおりです。
① 商号
② 営業の種類
③ 営業所
④ 商号使用者の氏名・住所
(2)変更登記
① 商号の譲渡
商号を譲渡したときは、「商号使用者」が譲渡人から譲受人に変更するので、商号の譲渡による変更登記の申請をしなければなりません(商業登記法29条2項)。
② 商号の相続
商号使用者が死亡した場合は、原則として、商号は相続人に承継され、商号使用者が被相続人から相続人に変更するので、商号の相続による変更登記の申請が必要となります(商業登記法29条2項、30条3項)。
③ 営業(又は事業)の譲渡の際の免責の登記
営業(又は事業)の譲受人(譲受会社)が譲渡人(譲渡会社)の商号を続用する場合に、譲渡人の営業上の債務を負わない旨の登記をすることにより、譲受人(譲受会社)は譲渡人(譲渡会社)の債務を弁済する責任を回避することができます(商法17条2項、会社法22条2項、商業登記法31条)。
④ 営業所移転の登記
(ⅰ) 営業所を、同一登記所の管轄区域内において移転した場合営業所移転の登記(新住所の登記)を申請しなければなりません。
(ⅱ) 営業所を、他の登記所の管轄区域内に移転した場合
旧所在地の登記所では、営業所移転の登記を申請し、新所在地の登記所では「旧所在地においてした登記を証する書面(登記事項証明書)」を添付して、「商号新設の登記と同一の登記」を申請しなければなりません(商業登記法29条1項)。
⑤ 商号廃止の登記
商号を廃止(商号の使用を事実上止めること)した場合は、商号使用者が商号廃止の登記を申請しなければなりません(商業登記法29条2項)。

第4 当事務所の「実績・取扱業務」
(1)当事務所の実績
当事務所は、下記の会社・法人等から、継続的に「役員変更、目的変更、本店・支店移転、増資、減資等の変更登記」のご依頼をいただいております。
① 株式会社               約400社
② 合名・合資会社           約30社
③ 一般社団・一般財団法人等  約25法人
④ 学校法人、医療法人、社会福祉法人、NPO法人、宗教法人、 農事組合法人、その他組合等  約80法人
⑤ 特例有限会社            約250社
・ 当事務所は、会社・法人登記を「専門に担当するスタッフ」が対応しておりますので、どうぞご安心の上、
  お気軽にご相談ください。
(2)当事務所の取扱業務
① 登記申請の代理業務
② 登記付属書類の作成代理業務
③ 株式会社・一般社団法人等の定款認証の代理業務
④ 会社設立・組織変更、法人設立に関する文案書類の作成代理業務

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